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アラサー社会人のイギリス大学院留学

エディンバラ大学の修士課程で四苦八苦しながら勉強しています。

合格通知が来た後にすること(2)

 前回記事の続き。
 進学先をひとつに絞ったら、次は住居の手配。大抵の場合は大学側で「大学の宿舎に入居したい人はフォームから申し込んでね」といった感じの案内があると思うのでそれに従う。たぶん留学生(特に遠方から来る留学生)はちょっと優先してくれるんじゃないかと思うんだけれど、満員になると入寮できないというケースがありうるので早めに申し込むのがよいと思う。家族連れの場合、大学の斡旋する宿舎に入れる可能性がぐっと低くなるので、民間のアパートを借りる前提で考えておいた方がいいかもしれない。僕の場合、当初は1人で行く予定だったけど、直前になって奥さんもイギリスに来られることになったので、宿舎の予約をキャンセルして民間のアパートを借りることになった。
 それから、並行して授業の課題図書を読んでおくとよい。単純にリーディングの勉強になるし、授業内容のイメージも湧く。僕の場合、専攻の紹介冊子(PDFファイル)から必須の授業を確認し、授業名+University of Edinburghとか検索して授業の紹介ページを見つけてReading Listに載っている文献を手に入れた。課題図書の日本語版があったらそちらを読んでざっくりとした要約を頭に入れてから英語版を読んでもよい。
 加えて保険、ビザ(こちらの記事も参照)、航空券など細々した手続きや手配を行う。

合格通知が来た後にすること(1)

 久しぶりに留学準備関連の記事を書きます。ちょうど去年の今ごろ合格通知を受けとった記憶があるので、その後何をしたか(何をすべきか)について。

 まず第一に行うのは条件付き合格(Conditional offer)か無条件合格(Unconditional offer)か確かめること。条件付き合格の場合は、どうすれば無条件合格になるか(あるいは正規の課程に進めるか)確認する。大学によって「9月までにIELTSで◯点取得すること」だったり「事前準備のスクールに◯ヶ月通うこと」だったりと異なるし、現状のIELTSスコアによっても対応が違う。前にも書いたけれど、可能であれば渡英前に無条件合格にしてしまった方がビザや精神安定の面からも非常によい。

 それからオファーに対する返事の締め切りや、オファーを受けるときの着手金のようなものがないかどうか確認する。大抵の大学院では「オファーを受け取ってから◯日以内に承諾するかどうかを返信しないと席が用意できないかもしれないよ」という締め切りを設けているはず。

 この2つを確認したら、他の大学院の状況も見つつ進学先をひとつに絞る。おそらく最も重要なのは、専攻の内容が自分の勉強したいことと合っているか。特に専門分野がある方は細かな違いが気になるだろうから、出願者向けサイトだけでなく在学生向けのサイト(もし公開されていたら)なども確認して「何を学ぶのか」をクリアにするとよい。出願先選びと同様に、滞在する国・都市の治安、気候や生活スタイル、学費、奨学金の有無、世界ランキングなどを参考にして比較するのがよいと思う。

 僕の場合は出願したときからエディンバラ大学が第1志望(というか「万が一受かったらいいなー」くらいの記念受験に近い感覚)だったので、オファーをもらった瞬間にすんなり決めることができた。

 

Processingとp5.js

 1学期の授業でProcessingという言語(兼開発環境)を使った。ProcessingはJavaをベースとしたビジュアル表現のための言語で、慣れると極めて簡単にジェネレーティブ・アートが作れたりビジュアル・ジョッキーのようなことができたりする。僕は今までJavaを使ったことはないけど、このProcessingがいたく気に入ってしまった。本当に簡単なコードで視覚表現や画像処理ができちゃったりする。
 しかしながらProcessingは特定の開発環境上でしか動かないので、ウェブで(画像や動画ではなく、ユーザーが触れる形で)公開したい場合はJavaScriptライブラリを使う必要がある。そこで僕はp5.jsという、Processing的な動きをウェブ上で実現するライブラリを使っている。Processing.jsと違って直接Processingファイルを読み込むことはできず、多少書き直す必要はあるけど、その分パフォーマンスはずっとよい(というよりProcessing.jsが遅すぎる)し、jQueryとも両立可能だし、主にこちらを使っている。
 ただしp5.jsにも弱点はいくつかあって、最たるものが3D表現にいくつか制約があること。たとえばProcessingでは指定できるはずのエッジが3Dオブジェクトには指定できなかったり、3Dオブジェクトのホバーやクリックといったイベントが発火できない。このあたりを踏まえて、p5.jsは2D表現に使い、3DはThree.jsあたりを使うのがよいかと考えている。

コミュ障こそリーダーになるべき、かもしれない

 前にも何度か書いたけれど僕はコミュ障である。別に他人とコミュニケーションをまったく取れないわけではないけど、疲れるし齟齬は多いし、個人作業の方がずっと向いている。しかし不幸なことにグループ作業をしなければならないケースは世の中にあふれている。というより普通にサラリーマンとして仕事をしていると、1人で完結する仕事をする方が少ない(あくまでも僕の経験だけど)。

 最近、そうしたコミュニケーションに苦手意識を持つ人こそリーダーの役割を買って出るべきなんじゃないかと思い始めている。もちろん「コミュニケーションが苦手」と一口に言っても原因や症状は千差万別なので、全員に当てはまるわけではない。正確に言うと、僕自身が何度かリーダー的役割をしてきて「リーダーの方がむしろ楽だな」と思うことが多かった。

 主な理由として、リーダーになるとインプット(人の言うことを聞いて理解すること)よりもアウトプット(人に仕事分担やアイデアを理解してもらうこと)の方が多くなる。たとえばグループで1つのウェブサイトなりビジネスプランを作る作業であれば、「我々が何を作ろうとしているのか」「それは従来の◯◯と比べて何が優れているのか」などを明確にする必要がある。僕は「人の論理を理解する」よりも「自分で考えて何かを作る」方が好きなので、リーダーになってしまった方が精神的負担が少ない。

 ただし、必然的に作業量そのものは多くなる。他のメンバーが「誰かがやってくれるだろう」と考えていること、すなわちメインでない細かなプロジェクトの設定を考えたり、打ち合わせの日程調整をしたり、適材適所を考えて仕事の分担をしたりするのはリーダーの仕事だ(厳密に言えば後者2つはマネージャーの仕事なんだろうけど、学校の授業にマネージャーなんていないのでリーダーの仕事になる)。なるべく作業量負担を抑えたいのであればリーダーにはならない方がいいんだろうけど、僕はコミュニケーションが苦手な代わりに個人作業は苦にならないので、機会があれば率先してリーダーの仕事をぶんどってしまう(もちろん他に候補がいなければ)ようにしている。

 

みんなで渡れば怖くない

 エディンバラの歩行者たちは基本的に赤信号を守らない。「赤信号では止まるべき」というよりは、「まあ参考程度だよね」くらいに考えているふしがある。ロンドンでも割とばしばし歩いている人を見たので、これはイギリス全体の傾向なのかもしれない。もちろん日本にも赤信号でずいずい渡る人たちはいるけど、こちらではむしろ「赤信号だから」という理由でその場にとどまる人の方が少ない。杖をついたおばあちゃんでも車椅子の人でもがしがし赤信号で渡ってしまう。この間は2人組の警官がコーヒーのカップを持って赤信号を堂々と渡っているのを見た。とにかく信号を守る方が目立ってしまうのである。

 理由のひとつには、あまり青信号の時間が現実的でないという点がある。エディンバラでは、たとえば一般的な十字路があったら縦方向の車→横方向の車→歩行者、という順番で青になるので、相対的に待ち時間が日本より長い。それから、日本と比べるとかなり短い時間で青信号が切れてしまう(こちらでは信号の点滅はなく、数秒ふっと両方の信号が切れた後に赤信号に変わる)ケースもある。僕の通学路にある信号は、青になってからすぐ歩き始めても半分くらい歩いたところで切れてしまう。その間、実に約5秒。渡らせる気があるのか疑いたくなるくらいの急かしっぷりだ。これは赤信号で渡りたくなる気持ちもわかる。

 話を少し拡大すると、これはいわゆるイギリス流合理主義に通じるところがある。ルールがわりと適当(といっても国際的に見ればかなりきちんとしているのだろうけど)なので、ルールを守る側から見て合理的でなければガシガシ無視する。

 一方で、車の方も車の方で、歩行者側信号が赤に変わる前に発車してしまうせっかちさんが多い。ウインカーも東京よりずっと適当だ。無事に大学や家にたどり着きたければ、最初はとにかく「他の人についていく」戦略がよい。

 

イギリスの大学院に進学した理由

 今さらだけどイギリスの大学院に進学した理由を書く。

 留学先を決めるにあたって、最初はアメリカの大学院を漠然とイメージしていた。けれど会社から「仕事を離れるのはせめて1年くらいにしてほしい」と言われ、1年で修士号を取得できるイギリスの大学院に絞って探した。

 アメリカの大学院修士課程は通常2年間だが、イギリスの大学院、特にTaught Masterと呼ばれる研究ではなく学ぶことが主体の専攻では1年間のコースも多い。その場合、一般の学生が夏休みを過ごしている間に修士論文を書くことになるので、在学中に就職活動をしようとするとなかなか大変かもしれない。

 次に、(比較的)学費が安い。どちらの国も、大学院の学費は1年間で数百万円するので決して「安い」と思える水準ではない。が、実際に自分の進みたい専攻を英米で比べると、ややイギリスの方がリーズナブルな印象を受けた。特にトップ校同士。

 あとは生活環境。もちろん都市や大学によって異なるけど、全般的にイギリスの方が治安がよいイメージがあった。海外生活は初めてなので、出来れば治安のよい街がいい。それから都市の中心地に大学が位置している場合が多く、車を使わなくても生活できることもポイント。僕は免許こそ持っているけど10年近くまともに運転していないので、生きて日本に帰りたいなら運転しなくて済む環境が必要だった。

 もちろんこれはあくまでも一般的な傾向なので、すべての都市/すべての大学院に当てはまるわけではない。それに、やろうと思えば複数の国にまたがって願書を出すことも可能なので、最初は国にこだわらず大学を選んでみるのがよいと思います。

 

英語名

 非英語圏からの留学生の中には英語名のニックネームを使う人がたまにいる。中国系の学生だとすぐにわかるが、ヨーロッパ系の学生も必要に応じて名前を英語風にするなどしているらしい(とオランダ出身の女の子が言っていた)。

 日本語名で英語圏の相手が発音できるのは、せいぜい3音節までだと思う。ヒロキとかマサトとか。ミキヒコとかアキヨシとかになったら、英語名とは行かなくても「ミッキー」とか「アキ」とか短いニックネームを考えた方がよいかもしれない。僕のファーストネームはちょっと長くて発音しにくい(しかもあだ名にしづらい)ので、英語名を使っている人はすぐ名前を発音してもらえて便利だなあと思っていた(カフェに行って注文したカップに名前を書いてもらうときとか、特に思う)。が、英語名を使っている人はそれはそれで色々と気苦労があるみたいだ。

 まず、同じ国の出身者がたくさんいると、英語名を使うタイミングが難しい。典型的な例が僕の友人(中国出身)。彼はTomという英語名を使おうとしており、僕にも最初は「Tomって呼んでくれよ」と言っていたが、中国の友人たちには本名で呼ばれているので、そのまま押し切られるように全員から本名で呼ばれるようになった。FacebookだけはTomのままなので、大学院デビューに失敗したみたいでちょっと恥ずかしい。それから授業の出席を取るときなどにも「あ、本名はXXXなんですけど、普段はAngelaと呼んでいて」みたいなやり取りをすぐことになって面倒。

 日本人で英語名を使っている人は見たことがないけど、もし「英語名を使おうかな」と考える人がいたら、まず「可能な限り英語名で押し通す」ということをお勧めしたい。「本名はXXXっていうんだけど、英語名はKateで…」なんてやっていたら相手も混乱するし、まず定着しない。